ブッダガヤ日本寺短信

ピトルパクシャ、先祖供養

 ピトルパクシャ(Pitru Paksha) は、ヒンドゥー教における儀式の一つで、先祖供養の期間を指します。ピトルはサンスクリット語で「祖先」を意味し、パクシャは「月の半分の期間」を意味します。毎年インド暦のバードラ月(Bhadra)の満月から新月までの日がピトルパクシャの期間とされており、9月~10月に実施されます。今年は2024年9月17日~10月2日の16日間がピトルパクシャでした。

 ガヤにはヴィシュヌ神の神変の地であるヴィシュヌパド寺院があるため、先祖供養を行う最も神聖な場所とされています。ガヤからブッダガヤまで尼蓮禅河沿いにある祭儀地で川の水や聖水に米、黒ゴマ、牛乳などを混ぜ、祖先の魂に捧げるタルパン(tarpan)や、米粉やゴマなどで作られたピンダ(供物)を作り祖先に捧げる、ピンダダーン(Pind daan)を行い、祖先の魂の輪廻からの解脱・当彼岸を祈ります。

 ヒンドゥー教ではお釈迦様はビシュヌ神の第9の化身とされているため、お釈迦様を祀るブッダガヤの大菩提寺でも大勢の巡礼者が供養を行う姿が見られました。

 この時期、数十万人が巡礼にガヤを訪れるため、巡礼のためのパッケージツアーが実施されたます。また、ビハール州政府による特設サイトでは、学校などの敷地内に設けた簡易宿泊施設や医療施設、巡礼についての様々な情報を掲載しています。https://www.pinddaangaya.bihar.gov.in/

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