光明施療院最新情報
光明施療院は、印度山日本寺に関わった有志により1972年に始められた診療所で、1984年からは全日本仏教徒婦人代表委員会および(社)全日本仏教婦人連盟からの寄付金を受けて建設された建物に於いて診療を行ってまいりました。
その後、専任医師の死去による不在と2016年のインド医療施設設置法及び関係諸法の改定に伴って臨床診療を休止、現在は菩提樹学園の園舎内に施療院設備を移転し、園児への栄養・保健面のケアやケガ・発熱等の応急処置、また地域の公衆衛生向上を主とした活動を展開しております。
その昔、仏教の慈悲の精神を体して「施薬院」を設置、施薬院のほか入浴治療場を設け、病者を収容する施設を設けるなどの慈善を行った光明皇后(701年~760年)にちなみ、光明施療院と名づけられました。衆生の数多の苦しみの内から、せめて病苦だけでも取り除くお手伝いだけでもさせて頂くことで、仏のご恩に報いたい感謝の気持ちを表しています。
診療開始当初は、お寺の近所の子どものおできの治療など、軽い病気が中心でしたが、治療費や投薬代が無料のため、20キロ近くもの遠くから歩いて来る人もあり、やがて毎日300人近い患者が、朝早くから診療を受けに列をなしていました。インド国籍の医師以下、3名の専門職員と補助職員;計8名で週5日間、開院以来100万人を超える患者への無料外来診療を40年以上にわたり行ってまいりました。
インドには政府管掌の健康保険制度はなく、保険の恩恵は、専ら任意加入の生命保険、障害・疾病保険等に自費加入できる者のみが享受できる類いの保険制度しかありません。インドでも集中的に貧困層が多いビハール州では充分な診療を受けられない人たちが殆どを占めているのが現状でます。