チャートプジャ

  2022年10月28日~31日、ブッダガヤではヒンドゥー教の太陽神(Surya)に一族の健康と子孫繁栄の祈りを捧げるチャートプジャ(Chhath Puja)が行われました。

  チャートプジャは、ヒンドゥー暦のChaitra月(3月~4月)とKartik月(10月~11月)の年2回、主にビハール州、ジャルカンド州、ウッタラプラデーシュ州の一部で催されます。中でもこの行事の発祥であるビハール州では盛大に催されます。

  初日前夜の潔斎で始まり4日間、女性は細かく決められたルールに従って断食を行い、日の入りと日の出に川岸で祈りを捧げます。2日目の日の入りから最終日の日の出までは水も飲まず36時間の断食を行います。そして最終日の日の出前、日本では箕(み)と呼ばれる農具と同形の竹製の籠、または真鍮の容器に供物として灯明、米、サトウキビ、さつまいも、ココナッツ、レモン、グァバなどを入れ、家を出発します。川に浸かって、ってくる太陽に向かって祈りを捧げ、4日間のプジャが終了します。  毎年この時期になると、ビハール州内をはじめとしてインド各地から大勢の人々がブッダガヤの尼蓮禅河(Falgu river)に集まり、大変な賑わいを見せます。

カティナプジャ

  雨安居(雨季の間外出を控え修行に専念すること)明けに比丘に法衣を布施する、カティナプジャ(Kathina puja)が2022年10月16日、ブッダガヤ大菩提寺内で行われました。毎年、Vassa(今年は7月14日~10月10日)と呼ばれる約3ヶ月の雨季が明けた後に行われる行事です。カティナプジャについての詳細はこちらをご覧ください。
  今年はブッダガヤにあるラオス寺(Wat Lao International Bodhgaya) の信者はじめとして、ベトナム、タイの法要団が施主となり、法要に参加にした各国の比丘、僧侶らに法衣が施されました。
  施主からの法衣の布施に続き、大菩提寺を管理する大塔管理委員会の事務長、ラオス寺の比丘の挨拶、参加比丘や僧侶が読経し法要が執り行われました。
雨季が明けブッダガヤは本格的に法要シーズンに入ります。現地は新型コロナの状況も落ち着き、今シーズンは3年ぶりに各国からの参拝者による法要が数多く予定されています。

当日の様子がこちらからご覧いただけます。

ドゥルガプジャ

  ブッダガヤでは2022年10月1日~5日、インド神話で神が悪魔を打ち破ったことに敬意を払い祝福するヒンドゥー教の祭り、ドゥルガ(Druga)プジャが行われました。ドゥルガは、悪魔マヒシャスラ(Mahishasura)を倒すためにブラフマ、ヴィシュヌ、シヴァなどのヒンドゥーの神々によって創られた女神で、10日間の戦いの末、ドゥルガがマヒシャスラを倒し、勝利を収めたことから、悪に対する善の勝利の象徴とされています。インド神話ではこの期間にドゥルガが天から地上の両親の家を訪れ、信者たちに祝福を与えるといわれています。主にベンガル地方で盛大にお祝いされますが、ビハール州や、オリッサ州、アッサム州などでも同様にドゥルガプジャが行われます。

  この期間、町のあちこちにパンダル(pandal)と呼ばれる祠ふうの建物(↓写真左上)が設けられ、そこでドゥルガがマヒシャスラを倒す情景が描かれた像が置かれ、大勢の人々に拝まれ祝福されます。これらの像は、最終日に川や海などに運ばれ、沈められます。

  また、ドゥルガプジャの最終日はヴィジャヤダシャラ(Vijaya Dashami)または、ダシェラ(Dussehra)にあたり、物語「ラーマヤナ」の主人公であるラーマが妃のシーターを誘拐した10の頭をもつ悪魔ラーヴァナ(Ravan)に打ち勝ったことを祝います。この祝事はRavan Dahan(ラーヴァナを焼く)といわれ、地方によってお祝いの仕方は異なりますが、インド全体で行われます。この日は、ラーマが火の矢を放ってラーヴァナを破ったことになぞらえ、ラーヴァナとその息子、兄弟を模した数十メートルある巨大な人形を燃やします。

ブッダガヤDussehra

  上記写真はブッダガヤで行われた様子です。また、ビハール州の州都パトナでも3年ぶりに開催され、州知事らが矢を放ち人形が燃やされました。下記その模様です(当日は行事開始前に強風により人形が倒れてしまうというハプニングがありました)

3年ぶりに盛大なブッダジャヤンティ

 ブッダジャヤンティ(Buddha Jayanti)はお釈迦様の誕生、成道、涅槃を一度にお祝いする行事で、毎年インド暦のウェーサカ(Vaisakha)月の満月の日に行われます。また、この日はブッダプルニマ(Buddha Purnima)と呼ばれ、国民の祝日に指定されています。

 南方仏暦に因んで2566回目となった今年のブッダジャヤンティは、2022年5月16日に大菩提寺で盛大にお祝いされました。2020年、2021年はコロナ禍のため、大菩提寺が閉鎖され、大塔管理委員会所属の比丘衆のみで開催されましたが、今年は3年ぶりにブッダガヤにある各国寺院や、インド諸州各地からの比丘・僧侶ら約7000人がこの催事に参集しました。日本寺からは元駐在僧の番地章夫師がこの日の為に渡印しました。この時期のブッダガヤは一年で最も暑く、当日は44℃の猛暑の中での法要でした。

 朝、8時を期して大仏(Great Buddha)前をスタート、大菩提寺まで約2㎞をお練り行道して大菩提寺入り。お釈迦様ご成道の聖菩提樹下での比丘による法話や、チベット、タイ、ベトナムなど各国のお経があげられ、日本代表として番地師が般若心経を唱えました。また、ビハール州知事も参列し、献香・献灯をされました。

大菩提寺 Maghi Purnima(マーガ満月会)

 仏暦でMagha(マーガ)月にあたるこの、2022年2月16日、大菩提寺ではMaghi Purnima (マーガ満月会)が行われました。
 この日はパーリー語仏伝もサンスクリット語仏伝も、お釈迦さまご在世中のたくさんの事蹟が、マーガ月の満月の日の出来事と記される特別な日です。

 大菩提寺では、このMaghi Purnimaをヴァイサク月(Vaisakha)の満月の日に祝うBuddha Jayantiに次いで、厳粛かつ華やかに祝い祀り、かつ祈ります。
 敷地内や周辺は数千のランプで飾り立てられ、出家したばかりの若い比丘たちは、それぞれの手にろうそくを灯して捧げ持ち讃仏偈を唱えながら大塔を右繞し、この日を祝いました。
 また大菩提寺のご本尊であるお釈迦様へ金の塗り替えもこの日に行われました。

その模様を大塔管理委員会のYoutubeチャンネルでご覧になれます。