大菩提寺再開

 ビハール州内の宗教施設の再開の布告を受け、2月7日に大菩提寺は再開しました。
 再開初日の日課勤行や、参拝者の様子が大塔管理委員会(bodhgaya temple management committee)のYouTubeチャンネル公開されています。大菩提寺では、所属僧侶が毎朝キール(kheer)と呼ばれる乳粥をご本尊にお供えし勤行しています。

マドバニ画風仏伝壁画

 ブッダガヤのチベット寺院の外壁にマドバニ画風の仏伝が描かれました。
 マドバニ画はビハール州北部ミティーラ地方で3000年にわたって女性の間で代々受け継がれてきた壁画です。ヒンドゥーの神々や神話を主題とし、賓客を迎えるのため荘厳として家の外壁に描かれていました。現代では主に紙に書かれるようになり、男性の描き手も多くなりました。鮮やかな色使いと大胆な描写が特徴で、インドの民族芸術のひとつとして世界でも評価を得ています。

大塔大菩提寺 カティナプジャ

 カティナプジャ(Katina puja) は、約3か月間の雨安居明けに行われ、信者が比丘たちに法衣を布施し、徳を積む法要です。原始仏典の伝えるところでは、雨安居明けに比丘たちが自身の衣を作り…とあり、お釈迦様もご自身でそうされたとあります。ほぼ全員が衣を調え終ると集まって布薩会(ふさつえ=各々の内外で犯した比丘としてあるまじき罪を告白・懺悔する集会)を行って出家者としての再出発を誓うという習慣でした。仏伝に「衣を調える1ヶ月・2ヶ月…5ヶ月」とありますが、その期間を短縮し、早く法を説いて欲しい信徒や施主が衣を献上するようになりました。この一連のプロセスが「迦絺那会(かちなえ)」として中国や日本に伝わりました。ブッダガヤのカティナプジャはこの方式で行われています。

 この雨安居とは、Vassaとよばれる雨季の間、降雨によって芽吹いた草や土から出てきた虫などを踏み殺生しないように、比丘たちが遊行せずに一か所に留まり外出を控え修行に専念することで、お釈迦様在世からの習慣です。インドでは、ヒンドゥー暦のAsalha 月の満月の次の日から約3か月(3度目の満月の翌日)がVassaとされ、2021年は7月25日から10月21日まででした。

 今年は10月31日に大塔管理委員会主催の施主公募によるカティナプジャが大菩提寺内で開催されました。当日はタイ、カンボジア、スリランカなどから信者が参加し、菩提樹の下で各国寺院の比丘や僧侶が読経し、法要が執り行われました。

 映画『The Siddhartha Gautama』に出演した俳優ガガンマリック氏(Gagan Malik)も施主の一人として法要に参加し、比丘や僧侶たちに衣を布施する様子が動画に収められています。

チベット難民市場オープン

(https://public.app/video/sp_b05z2uye9hqfoより転載)

 チベット難民市場が今年もオープンしました。ブッダガヤ巡礼のシーズン、10月から3月頃までの冬の間だけ開かれる市場で、有名なチベットの絨毯や冬物衣料、またチベットの手工芸品などのお土産を扱う店が約50店舗ほど立ち並びます。今期のオープン初日10月25日には、チベット仏教僧院のラマ僧によるコロナ退散のお祓いのあと、テープカットが行われました。
(上記写真をクリックすると動画を御覧いただけます。)

ドゥルガプジャ

 2021年10月11日から15日までヒンドゥー教のドゥルガ(Durga)女神をお祝いするドゥルガプジャが行われています。この時期には官庁も休み。雇用主は雇い人を帰省させます。

 お祭りとしては現在では主にベンガル地方で盛大に行われ、もともと天然痘調伏のために南インドから招来された神様ですが、あらゆる伝染病や悪疫退散に霊験があるとされ、やがて全国的に信仰されるようになって現代に至っています。

 ヒンドゥー教では全能神シバ神の妻。シヴァより強いことから特に女性たちに人気があり、この祭りに際して夫は妻にサリーなどの晴れ着や装飾品を贈るべきとする習慣が根づいています。

 各所に豪華な装飾が施されたお祝いの会場(pandal)が設けられ、ドゥルガの像が祀られます。また、会場には屋台が立ち並び日本のお祭りさながらの賑わいを見せます。今年は2年ぶりの開催となり、ブッダガヤに設けられた会場も大賑わいでした。

ドゥルガが悪魔を退治する神話の一場面