2024年日本寺除夜の鐘

 【日本寺駐在僧便り】
 2024年12月31日、大晦日法要及び除夜の鐘撞きをお勤めいたしました。本年は安全面への配慮から近隣への一般開放を行わず、来山された日本の方を中心にご参加いただきました。
 大晦日法要は31日の21時半より本堂にて、印度山日本寺勤行聖典の次第に則りお勤めいたしました。法要終了後には参列された日本人参拝者へ除夜の鐘についての短い法話をさせていただきました。
 その後、23時より鐘楼堂において般若心経をお勤めし、戸田より順に、おいでのみなさまに除夜の鐘を撞いていただきました。更に日本寺スタッフも参加し、普段から定刻の鐘を担当している警備スタッフたちは特に張り切って鐘を撞いていました。

 当日は気温が15度ほどと冷え込んでおり、正門の外に立ち並ぶ屋台の前では夕方になると焚き火がいくつもおこされ、地元の方々は皆さん手をかざし暖をとっていました。また年越しは盛り上がりが薄く花火もまばらに上がる程度で、季節ごとに地域で行われているヒンドゥー教のお祭りの盛り上がりとの差に驚きました。普段よりも静かなブッダガヤで低く大きく響く鐘の音を聞きながら、今年1年間に生じた人々の煩悩が少しでも除けるよう、懇ろにご祈念させていただきました。
 以前、大晦日に来山された参拝者や地域の方々からは、コロナ以前に日本寺で振舞っていた“年越しそば“ならぬ“年越しうどん”のご接待の復活を望む声が多くありました。     (駐在僧 戸田萌岳)

北河原竺主参拝団法要厳修

2024年11月21日、北河原公敬印度山日本寺竺主参拝団による法要が厳修されました。
北河原竺主は2017年に竺主晋山以来、コロナ禍を除き毎年日本寺をご訪問くださっています。当日は大菩提寺参拝・法要の後、日本寺本堂での法要に続き、境内の功労者供養塔にも参拝いただきました。また、菩提樹学園に絵本「大仏くらべ」40冊を寄贈いただきました。

北河原竺主は日本寺ご訪問に先立ち、11月20日にはデリーにある日本大使館を訪れ、2024年10月に着任された小野啓一駐インド日本国大使を表敬訪問されました。

お釈迦様の成道を祝して 成道会開催

【日本寺駐在僧便り】
 去る12月9日月曜日、2024年度の成道会を日本寺本堂に於いて厳修いたしました。本年はブッダガヤの日本仏教寺院、仏心寺清水師(浄土宗)、一心寺片山師(日蓮宗)にご参集頂き、僧侶三人でのお勤めをいたしました。

 次第は印度山日本寺勤行聖典に則り、母校大正大学で修学した表白を追加して読経いたしました。一般参拝者の方は15名ほどがおいでになり、観音経読誦時にはお焼香をしていただきました。

 これまでも日本において様々な形の成道会に参列する機会がありましたが、やはり釈尊成道の地において成道の日をお祝いすることができるのは、仏教徒として大変ありがたいと感じました。またお話しした参列者の方から、上座部仏教では降誕会・成道会・涅槃会の三つを合わせた「Vesak(ウェーサク)/Buddha Jayanti(ブッダジャヤンティ)」というお祭りを5月の満月の日に行う風習がある、とお伺いすることができました。来年の成道会はより準備を重ね臨みたいと思います。合掌

日本寺駐在僧 戸田萌岳

練習の成果を家族に披露 菩提樹学園お遊戯会

 2024年12月7日、第46回菩提樹学園お遊戯会が日本寺講堂で開催されました。
 園児たちは、数週間前から演劇のセリフやダンスの振り付けの練習に一生懸命取り組みました。

 朝、登園し、各教室に入るとすぐに本番の衣装に着替え、先生からメイクをしてもらいました。皆の準備が出来ると、教室の前でクラスごとの記念写真を撮り、講堂へ移動しました。

会場は「わが子の晴れ舞台を見よう」と150名を超える保護者や兄弟が集まり、観客で埋め尽くされました。

午前10時、主任のソバー先生の挨拶からお遊戯会が始まりました。
園児たちは、クラスごとにインドのヒット曲に合わせたダンスや演劇を披露しました。

演劇の題名「Van Hai To Jeecan Hai」は、「森林が有れば生命がある」という意味で、インドで自然保護や環境保護のスローガンとして使用されている言葉です。地球にとっての森林の大切さを演劇で表現しました。
 家族の顔を探してダンスを忘れてしまう園児や、練習の成果を発揮し登壇から舞台を降りるまで堂々とした佇まいの園児など、それぞれの個性が光るパフォーマンスを見ることができ、心温まる時間となりました。

 現在日本寺で働いている寡黙なスタッフが演目中の自分の子供を見つけ、誰よりも大きく手を振っている大変微笑ましい一面も見られました。

衣をお布施 カティナプジャ

 2024年11月3日、大菩提寺において、カティナプジャが開催されました。主催は大塔管理委員会、今年は委員会所属の比丘Huej師がオーガナイザーを勤めました。(カティナプジャについてはこちら)
当日は天気に恵まれ、清々しい風の吹き抜ける晴天の中、大塔管理委員会(Bodhgaya Temple Management Committee)招待のインド、タイ、カンボジア、バングラデシュ、チベット、日本ほか1000名を超える各国比丘僧侶が参集しました。施主は石油製品の精製・販売、発電、バイオベース製品の生産を行うタイのエネルギー・石油会社「バンチャックコーポレーション」でした。

 今回のカティナプジャは駐在僧として法要に参列する初めての機会でしたが、約20年前に日本寺に駐在されていた番地先生と同席することが叶い、サンガダーナ(施食)やカティナプジャについて様々なお話をお伺いすることができました。法要では上座部仏教の比丘僧侶たちによるパーリ語での誦経に続き、チベット僧の方々の誦経がありました。人生で初めて耳にするチベット語の低くうねるような誦経は、大変感激いたしました。その後、番地先生と拙僧によって般若心経等を奉読いたしました。
大菩提寺での法要が終わると、大塔管理委員会新オフィス・ホールでの施食が行われました。近隣レストラン「フジヤレストラン」によるケータリングのカレーは大変美味かつ豪華で、大変有り難い初めてのサンガダーナとなりました。合掌

駐在僧 戸田萌岳