駐在僧赴任のご挨拶

戸田 萌岳(とだ ほうがく) 真言宗智山派
2024年9月30日着任

この度、印度山日本寺の駐在僧として赴任させて頂く事になりました、真言宗智山派の戸田萌岳と申します。まずは、日本寺派遣に際して、暖かいお力添えを賜りました皆様に篤く御礼申し上げます。
今回の駐在は私にとって初めての渡印となります。しかし、仏教徒として釈尊成道の地に駐在できる事、また御縁のお導きがあったことに深く感謝し、仏教が生まれた土地の空気と文化を全身で受け止めて参ります。
ヒンドゥー教を始めとする、釈尊在世の時代からつづく様々な宗教宗派が現在も息づくインドに於いて、日本の仏教が人々にどのように受容されるのか。世界から釈尊成道の地に修行と安心を求めて訪れる人々にどのように教えをお伝えすることが出来るのか。日本語を母国語として育ち、海外経験の乏しい私が、ヒンドゥー語や英語を始めとする異国語で、人々と仏教を通じた交流が出来ることは、大変貴重な経験だと思います。そしてそれはより深く仏教を学び、また自分の信仰の原点に立ち返ることにもなると考えております。
最後になりますが、駐在僧としての御縁を頂いた皆様方のご期待に沿えるよう、微力ではありますが日本寺の護持興隆に尽力させて頂きたいと思います。
日本寺にご参拝の際はお気軽にお声がけください。 合掌

リサイクル募金《査定額100円プラスUP》キャンペーン ~10月31日

 リサイクル募金「きしゃぽん」では、期間内にお申し込みで、査定額が1円以上の方全員に、「きしゃぽんからの100円」とは別に、更に《プラス100円》を査定額に上乗せキャンペーンを実施中です。
 きしゃぽんリサイクル募金は、古本、DVD、ブランド品、貴金属等をきしゃぽんにご提供いただくことで、その換金額が当協会へ寄付されるシステムです。詳しくはこちらをご覧ください。

《 期間 》2024年 9月27日~ 2024年 10月31日集荷受付分まで

第2回仏教徒メディア会議 2024

 2024年9月11日、International Buddhist Confederation(IBC)及び、 Vivekananda International Foundation(VIF) 共催「2nd International Buddhist Media Conclave 2024」がニューデリーで開催され、当協会から逸見世自在師(浄土真宗本願寺派 浄土寺副住職)が出席いたしました。

 本会議は世界の仏教系メディアが対話と交流を行うことを中心に組織されたものですが、広くは世界の仏教徒が繋がる会議であり今回は 2018 年 8 月以来の 2 回目の会議となりました。前回は 12 か国から 150 人程の出席者がおり、ダライ・ラマ法王やモディ首相の臨席もあったが、今回は 80 名ほどの出席で若干規模が縮小された様子でした。

 開催テーマは「紛争回避と持続可能な発展のための平和的対話」(英語名:Mindful Communication for Conflict Avoidance and Sustainable Development)でした。特に今回の会議ではAI やSNS の発展に伴い仏教系メディアが発信する方途は進化する一方で、世界における仏教徒は他のキリスト教やイスラム教に比較して減少していく目下の情勢を俯瞰してどのように交流と協力ができるのか、といった問題意識でした。以下テーマに沿って議論が交わされました。

セッション1:「21世紀におけるメディアの役割とコミュニケーション」
総じて、世界における宗教間の対立と紛争を助長する要因となり得る事実と異なるニュース「フェイクニュース」の防止や宗教の壁を越えて「マインドフル」に対応・協力していく事の重要性が確認された。

セッション2:「紛争抑止における平和的(マインドフル)対話の実践」
プラスチックによる環境汚染や食糧問題を議論する際の仏教徒としてのマインドフルな対応と紛争解決の方途を模索することを中心に意見が交わされた。

セッション3:「環境問題と持続可能な発展」
前国連開発計画(UNDP)ヘッド(HEAD)からは「資本主義はキリスト教による倫理を背景としており、二元論的思考の限界に直面している。仏教による一元論的思考による経済発展が期待される」といった発言があった。

セッション4:「仏教メディアネットワークとソーシャルネットワークの構築」
AI による多言語翻訳機能による仏教の布教など最新テクノロジーによる技術革新の応用と実践が紹介され議論された。
 以上のディスカッションを踏まえ、会議では将来的ビジョンとして仏教系メディアが国を超えて協力し合える組織構築が提案され閉幕しました。 

  なお、この度の出張でインドとモンゴルとネパールのテレビ局からインタビューを受けました。インタビューでは(公財)国際仏教興隆協会 から派遣された旨と日本寺の活動を紹介し、さらに日本における仏教事情について紹介しました。また昼食時間に VIF事務局長と面会し、日本からの出席者は私が初めてであり、今後も日本からの派遣を強く要望している旨を受けました。

 この度の会議では幅広い議題が掲げられたが、参加者に共通する問題意識として、①世界の仏教徒の減少問題、②世界の課題に仏教徒としてどう対応するかといった倫理的課題、③若者層をどう宗教に関心を持ってもらえるか、といった危機意識を感じました。これらの問題は現在の日本にも共通の喫緊の課題であり、今後日本仏教(宗派)や国籍の枠組みを超えて連帯して課題に取り組む必要性を認識しました。特に②の課題に対しては、従来仏教徒は布教活動とそれから派生する過去に重点を置く活動(例えば、仏教研究や遺跡文化財の保存、経典の翻訳)が中心であったが、今後は世界の課題に仏教徒としてどう対応できるのかといった現実的実践課題に対する解決提案型に仏教徒としての責務がシフトしている点が印象的でした。

逸見 世自在

宗報「華厳」印度山日本寺開山五十周年記念インド仏跡七日間の旅 報告記事

2023年12月6日・7日に開催された印度山日本寺開山五十周年記念行事に際しての北河原公敬日本寺竺主・東大寺長老による仏跡巡拝の旅(2023年12月4日~10日)に同行された元駐在僧・東大寺録事北河原公慈師が華厳宗教学部発行(2024年9月1日)の「華厳」第112号に報告記事を執筆されました。

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ラクシャバンダン

 2024年8月19日は姉妹と兄弟の絆を確かめ合うヒンドゥー教の祭事、ラクシャバンダン(Raksha Bandhan)の日でした。毎年インド歴のスラバナ(Śrāvaṇa)月の満月の日がラクシャバンダンに指定されています。この日は、姉妹は兄弟の健康と繁栄を願い、兄弟は離れていても姉妹を守ることを約束します。現在では家族に限らず、友人同士でも広くお祝いされています。

 姉妹は兄弟にラーキーという吉祥の紐を結び、兄弟はそのお礼に小さなプレゼントを渡し、甘いお菓子を食べてお互いの関係をお祝いします。この時期になると様々なラーキーが市場に並びます。

 菩提樹学園でも毎年ラクシャバンダンをお祝いしています。まず、無事息災を願う儀式には欠かせない、ティカを額につけてもらい、女の子は男の子の手首にラーキーを結びます。男の子はお礼に女の子にネックレスをつけてあげます。

ラーキー、ネックレスを自慢げに見せて記念撮影

 ラクシャバンダンのお祝いにこの日の給食は、ジャガイモをひよこ豆の粉の衣で揚げたアルチョップ(Aloo chop)とシロップ漬けの甘いドーナツ・クラブジャムン(Gulab Jamun)が出されました。普段園児たちはこれらを食べる機会が少ないので特別な日に出される給食にはいつも大喜びです。