2年間の学びの始まり

 2025年4月1日、今年度の菩提樹学園入園式が行われ、昨年度週1回の入園準備クラス「トタ組」に通っていた40名が年少組に入園しました。園児たちは日本寺に近いマスティプール村、ピパルバッティ村、ハリジャンコロニーに住む子どもたちです。これから週6日、小学校に入学までの2年間2クラスに分かれ、ヒンディー語、英語の読み書きや算数など学びが始まります。

【日本寺駐在僧便り】

 当日園児たちは教室で初めての園服に難儀しながら着替え、園児の家族が見守る中、講堂での入園式に臨みました。ソバー主任教諭の挨拶のあとのそれぞれの先生方の自己紹介に続いて、駐在僧として私も挨拶をさせていただきました。拙いヒンドゥー語での挨拶でしたが、年長組の園児たちは目一杯の拍手をしてくれました。
 新入園児たちは4歳ということもあり体格こそ上級生たちよりひとまわりも小さいものの、いきいきと走り回りながらキラキラと輝く目がとても愛らしいかったです。合掌 

駐在僧 戸田萌岳


 

卒園おめでとう!

 皆さまからの温かいご支援のおかげで、今年も園児たちが無事に菩提樹学園での2年間の学びを終え巣立つことができました。一同心より御礼申し上げます。

菩提樹学園卒園式 【日本寺駐在僧便り】
 晴天に恵まれた2025年3月24日、2024年度の菩提樹学園の卒園式ならびに修了式が開催されました。今年度年長組に進級した園児のうち2名が家庭の事情で退園しましたが、38名が卒園を迎えました。当日は園児の父母の皆さまや近隣在住の卒業生の参列を賜り、賑やかな会となりました。

  菩提樹学園の卒園式では、卒園するグラブ組とチャンパ組の園児から進級するカマル組とパンカジ組の園児へと、蝋燭の火を受け渡す恒例のセレモニーが行われています。本年はろうそくセレモニー中ソバー先生が涙する場面があるなど、終始感動的な雰囲気の式典となりました。園児には卒園証書、小学校通学用のスクールバックや文具などが授与されました。
また、年少・年長組全78名中、今年度無欠席だった27名には皆勤賞として洋服がプレゼントされました。
日本寺には子供や孫が学園に通っているスタッフも多く、貰いたての卒業証書をいち早く自慢するために駆け出す園児の姿に私も涙が浮かびました。合掌 

駐在僧 戸田萌岳

春の到来 ホーリー

ホーリー(Holi)は、ヒンドゥー暦のファルグナ(Phalguna)月の満月の日に行われるヒンドゥー教の祭典で、冬の終わりと春の訪れをお祝いする祭典です。2025年は3月14日がホーリーでした。

ホーリーの起源は諸説ありますが、そのひとつに魔王ヒラニヤカシプ(Hiranyakashipu)とその息子プラフラーダ(Prahlāda)のヒンドゥー教の神話にあります。
魔王ヒラニヤカシプの息子プラフラーダは、ヴィシュヌ神を信仰していました。王はこれを嫌い、妹のホリカ(Holika)にプラフラーダを火で焼き殺すよう命じました。しかし、ホリカは炎で焼かれ、ビィシュヌの加護を受けているプラフラーダは無事でした。このことからホーリーは「善が悪に勝利する」することを祝う祭りでもあります。

ホーリーの前夜にはホリカダハーン(Holika Dahan)と呼ばれる儀式を行を行い、焚火を燃やし善が悪に勝利したことを祝います。

菩提樹学園ホーリー 【日本寺駐在僧便り】

菩提樹学園では満月の14日に行われるホーリー当日に先駆けて、学園ベランダにて3月11日にお祝いを行いました。

園児たちは普段通りに通園し朝の学習を終えると、先生からホーリーをお祝いする昼食が配られました。
昼食はビハール州の方言でパッコリーとも呼ばれる「パコラ(Pakora)」(スパイス味の天ぷら)とインドのお祝いの日に食される甘いお菓子「ラスグッラ(Rasgulla)」と「グラブ・ジャムン(Gulab Jamun)」で、日直の生徒の「いただきます」という日本語の号令で一斉に食事をしていました。

園児たちの昼食後は、ご参集くださった保護者と学園の卒業生がベランダに集合し、ソバー園長先生による挨拶がありました。その後子供達は2人1組となって先生から配られた色の粉を顔に塗り合い、色の付け合いをひとしきり終えると、全員参加の色粉の掛け合いの時間となりました。園児たちは集まった家族たちや日本寺スタッフをひとり残らずカラフルにしていき、撮影のために参加した私もカメラを隠しながら色をつけてもらいました。

いよいよ到来する酷暑のシーズンにむけて、一層精進を重ねてまいります。合掌

駐在僧 戸田萌岳

第76回共和国記念日を祝う

 【日本寺駐在僧便り】
 1月26日は1950年インド国憲法が発布され共和国となった記念日で、休日に指定されています。
 2025年は第76回目の共和国記念日となりました。この日は学校や役所では国旗掲揚や国歌斉唱でお祝いをします。また首都デリーでは大規模な式典が開催されます。

 日本寺ではスタッフによるインド国旗、仏旗、日本国旗の掲揚とインド流の万歳三唱で記念日をお祝いしました。

 菩提樹学園ではブッダガヤのウルヴェーラロータリークラブ所属の地域会員の皆様においで頂き、式典で共に憲法発布の日を祝いました。当日は天候に恵まれ、休日ながら登園する子供たちはそれぞれ国旗や国旗カラーの襷など、記念日を祝うさまざまなグッズを持ち寄りました。

 式典では、掲げる国旗の中に色とりどりの花びらをつめ、旗が上がりきったところで花びらが散り落ちるよう準備されており、国旗掲揚の場面では拍手と歓声が上がりました。その国旗台の根元には「ジャレビ(Jalebi)」と呼ばれる小麦粉と水で作った生地を揚げ、シロップ漬けにした菓子とお香が供えられ、インドのお祝い対する日本と異なる丁寧な供養の観念に感動しました。

 式典後は園舎に移動し、ロータリークラブの皆さんより文具とお菓子の贈呈と、先生による「ジェレビ」の配布がありました。

 子供達はこの甘い揚げ菓子が本当に大好きで、すぐに無くならないよう細かく割りながら笑顔で食べている顔がとても愛らしかったです。合掌 

駐在僧戸田萌岳
 

練習の成果を家族に披露 菩提樹学園お遊戯会

 2024年12月7日、第46回菩提樹学園お遊戯会が日本寺講堂で開催されました。
 園児たちは、数週間前から演劇のセリフやダンスの振り付けの練習に一生懸命取り組みました。

 朝、登園し、各教室に入るとすぐに本番の衣装に着替え、先生からメイクをしてもらいました。皆の準備が出来ると、教室の前でクラスごとの記念写真を撮り、講堂へ移動しました。

会場は「わが子の晴れ舞台を見よう」と150名を超える保護者や兄弟が集まり、観客で埋め尽くされました。

午前10時、主任のソバー先生の挨拶からお遊戯会が始まりました。
園児たちは、クラスごとにインドのヒット曲に合わせたダンスや演劇を披露しました。

演劇の題名「Van Hai To Jeecan Hai」は、「森林が有れば生命がある」という意味で、インドで自然保護や環境保護のスローガンとして使用されている言葉です。地球にとっての森林の大切さを演劇で表現しました。
 家族の顔を探してダンスを忘れてしまう園児や、練習の成果を発揮し登壇から舞台を降りるまで堂々とした佇まいの園児など、それぞれの個性が光るパフォーマンスを見ることができ、心温まる時間となりました。

 現在日本寺で働いている寡黙なスタッフが演目中の自分の子供を見つけ、誰よりも大きく手を振っている大変微笑ましい一面も見られました。